貨物を輸送する企業の多くは、物流のどこかに問題があると感じています。顧客のクレーム、合わないコスト、繰り返す遅延。しかし、それを裏付ける数字を持っていません — そして、問題が正確にどこにあるかを教えてくれる数字も持っていません。
物流KPIとは何か
KPIとはKey Performance Indicator(重要業績評価指標)の略です。物流においては、業務の特定の部分が適切に機能しているかどうかを具体的な数値で示し、時系列で追跡できる指標を指します。
データを持つこととは異なります。データを持つとは、先月何回の輸送を行ったかを知ることです。KPIを持つとは、その輸送のうち何パーセントが時間通りに到着したかを知り、その数値を前月と比較し、改善しているか悪化しているかを把握することです。
この違いが重要である理由は、データは何が起きたかを記述するだけですが、KPIは何が起きたことが許容できるかどうかを教えてくれ、行動するための基盤を提供するからです。
なぜ多くの企業がKPIを測定しないのか
関心がないわけではありません。仕組みがないのです。物流KPIを測定するには、各業務で正しいデータを一貫して取得する必要があります — 出発時刻、到着時刻、貨物の状態、インシデント — 分析可能な形式で記録しなければなりません。
多くの企業では、その情報がメール、電話のやり取り、運転手のメモなどに散在しています。情報は存在しますが、構造化されていません。構造化されていないものは測定できず、測定できないものは改善できません。
出発点は洗練されたシステムではありません。各輸送で記録する3つか4つの数値を決め — 例外なくそれを実行することです。
最も重要な物流KPI
On-Time Delivery Rate — 時間通り配送率
測定内容: 約束された日時に到着した出荷の割合。
計算方法: 時間通りの配送数を総配送数で割り、100を掛ける。
重要な理由: 顧客との関係に最も直接的に影響する指標です。通常業務において95%を下回る場合は警告信号です。90%を下回る場合は、顧客がまだ指摘していなくても、すでに問題として認識されています。
混乱しやすい点: 「時間通り」には明確な定義が必要です。合意した日に到着したか?時間枠内に到着したか?倉庫の閉鎖前に到着したか?正確な定義がなければ、数値は意味を持ちません。
Perfect Order Rate — 完全注文率
測定内容: 完全な状態で、時間通りに、損傷なく、正しい書類とともに届いた配送の割合。4つの条件がすべて同時に満たされている必要があります。
重要な理由: 最も厳格で、最も正直なKPIです。時間通り配送率が98%でも、10%が書類不備で届いた場合、完全注文率は急激に低下します。これは顧客が実際に体験していることに最も近い数値です。
Freight Cost per Unit — 単位あたり輸送コスト
測定内容: 製品1単位 — パレット、箱、キログラム — を出発地から目的地まで移動させるのにかかるコスト。
計算方法: ある期間の総輸送コストを、同期間に輸送された単位数で割る。
重要な理由: 物流と利益率を結びつけるKPIです。燃料価格も距離も変わっていないのに、6か月で単位あたり輸送コストが15%上昇した場合、業務の何かが変わったことを意味します — そしてこの数字は、決算書に現れるよりも前にそれを教えてくれます。
Dwell Time — 国境・税関での滞留時間
測定内容: 車両が国境や税関検問で停止している時間。
重要な理由: 滞留時間の1時間ごとに直接的なコストが発生します — 滞在費、燃料費、配送時間枠違反のリスク。国境ごと、貨物種類ごとの平均滞留時間を測定することで、パターンを特定できます — どの曜日、どの時間帯、どの種類の書類が最も遅延を引き起こすか — そしてそれに対して対策を講じることができます。
Cargo Damage Rate — 貨物損傷率
測定内容: ある期間の総出荷数に対する、損傷が報告された出荷の割合。
計算方法: 損傷報告のある出荷数を総出荷数で割り、100を掛ける。
重要な理由: 2%の損傷率は低く見えるかもしれませんが、それが月に何件の出荷に相当し、交換費用、保険、クレーム管理にどれほどのコストがかかるかを計算してみてください。このKPIは、損傷が特定のルート、特定の包装形態、または特定の輸送業者に集中しているかどうかを特定するのにも役立ちます。
Transit Time Variance — 輸送時間のばらつき
測定内容: 実際の輸送時間が、約束された輸送時間に対してどれだけ一貫しているか。
重要な理由: 18時間を約束し、時々16時間で到着し、時々26時間かかる輸送業者は、常に20時間で到着する輸送業者より信頼性が低いです。平均は似ていても。ばらつきこそが計画を不可能にするものです。このKPIはまさにそれを測定します。
Carrier Performance Score — 輸送業者別パフォーマンススコア
測定内容: 利用する各輸送業者の総合的なパフォーマンス。時間通り配送率、損傷率、インシデント対応時間、書類コンプライアンスを組み合わせて評価します。
重要な理由: 複数の輸送業者を利用しているにもかかわらず、個別に測定していない場合、交渉のための情報を持たず、どの業者に更多のボリュームを割り当てるかの判断ができず、サービスが悪化した際に変更を正当化することもできません。このスコアがその客観的な基盤を提供します。
洗練されたシステムなしで測定を始める方法
始めるためにTMSやERPは必要ありません。必要なのは一貫性です。
まず定義し、その後測定する。 データを記録する前に、「時間通り」の正確な意味、「損傷」に該当するもの、滞留時間の開始と終了のタイミングを定義してください。明確な定義がなければ、数値は期間同士で比較できません。
10個ではなく3つのKPIから始める。 時間通り配送率、単位あたり輸送コスト、貨物損傷率の3つがあれば、実際の可視性を確保するのに十分です。この3つをしっかり測定せずにさらに追加しても、価値は増しません — ノイズが増えるだけです。
月末ではなく各業務で記録する。 物流データはすぐに失われます。月末に月全体を再構築しようとすると、不完全で信頼性の低い情報しか得られません。記録は各輸送で、できれば配送の瞬間に行われるべきです。
数値を輸送業者と共有する。 真摯な輸送業者は、自分のパフォーマンスを知りたいと思っています。KPIを共有することは脅威ではありません — 継続的改善の関係の基盤です。もし輸送業者がその数値を見たがらなければ、それもまた有用な情報です。
KPIが教えてくれないこと — そしてそれも重要である理由
KPIは過去に起きたことを測定します。バックミラーであり、フロントガラスではありません。自分がどこにいたかを教えてくれますが、必ずしもどこに向かっているかは教えてくれません。
今月97%の時間通り配送率が来月を保証するわけではありません。安定した輸送コストが繁忙期の運賃上昇を予測するわけでもありません。KPIは質問を始めるための出発点であり — 質問をやめるための到達点ではありません。
測定しないものは改善できません。そして改善しないものは、最終的に顧客を失うコストになります。
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